ホワイトノイズとは?音と集中力の関係

主なポイント

  • 周囲の音が生産性にどのような影響を与えるかは、人によって大きく異なります;ある人にとっては非常に気になってしまうものでも、別の人にとってはむしろ生産性の向上に繋がったりします。
  • 雑音があると、人間の脳は何に集中すべきか判断するのに苦労しますが、その影響の度合いは人によってさまざまです。
  • 周囲に音があった方が仕事や勉強が捗る方には、器楽曲(インストゥルメンタル)、環境音、またはホワイトノイズをおすすめします。
  • 静かな環境で作業がしたい場合、オフィスの静かな一角、ノイズキャンセリングヘッドフォン、および耳栓を使うことをおすすめします。

音と集中力は複雑な関係にあります。大事な仕事に集中しなければならない時に、周りがうるさくて集中ができなかった経験は誰しもあるでしょう。反対に、無音が耐えられず、音がないと集中できないという人もいるでしょう。

これは、特に職場において難しい問題です。一部の人は賑やかな環境で仕事が捗っても、それ以外の人はわずかな雑音ですら集中力を下げてしまう可能性があるからです。

この記事では、周囲の音と集中力の関係性、および音が脳に与える影響について詳しくご紹介していきます。あなたが、従業員の生産性を向上させたい雇用主でも、集中力に悩みを抱える学生や社会人であっても、音が集中力に与える影響について知っておくべきこと全てがここにあります。

周囲の音が集中力に与える影響

周囲の音は、人によっては多少気になるものに過ぎませんが、他の人にとっては、集中力がすっかり削がれてしまう原因になり得ます。この違いはどこから来るのでしょうか?

それは、私たちの脳が音を処理する仕組みに深く関係しています。私たちの脳の神経回路は、「集中」した状態を作るために、特定のプロセスを経る必要があります。しかし、周囲に音があると、その音による脳の信号と、本来集中したいものから来る脳の信号がぶつかってしまいます。人によって、それらの信号が混同してしまい、集中すべき対象が分からなくなってしまうことがあるのです。

実際、これまでにさまざまな研究がこの現象を示しています。HuangとElhialiによる研究では、81人の参加者に対し、繰り返し流される音に集中してもらいながら、同時に雑音を流す実験を行いました。その結果、参加者は、背景に大きな雑音があると、与えられた課題への集中力が落ちることが分かりました。

同研究では、参加者の脳活動も測定されていました。その結果、参加者が集中していた音と脳波が同期(シンクロ)していたことが分かりました。一方で、雑音が流されると、元々集中していた音と脳波の間の同期が弱まり、脳波が雑音と同期することも分かりました。

これは、背景にある雑音が、私たちが意識的に集中しようと選んだ音と同じ脳の領域を活性化させることを意味しています。つまり、私たちの脳は、同時に複数の音が存在すると、どれに注意を向けるべきか、判断に困ってしまうのです。周囲に音がある中で仕事や勉強に集中しにくい理由は、まさにそこにあります。

一方で、周りに音があった方が仕事や勉強が捗る人もいますよね?これはどう説明するのでしょう?

一部の研究によると、人には、高いパフォーマンスが発揮できる「最適な雑音のレベル」というのが存在することが分かっています。つまり、雑音と無音の間のスイートスポットを見つけ、何が自分の集中力を上げるのか、あるいは従業員個々人に合った音のレベルかを見つけていくことが重要となるのです。

大きな雑音が従業員に与える影響

ストレスの増加

周囲の音は、従業員が職場でストレスを感じる1番の要因ではないかもしれません。しかし、特に音に敏感な従業員の場合、ストレスを増加させる可能性は十分にあります。また、そのせいで集中ができないと感じる場合、従業員の欠勤を増やしたり、パフォーマンスや生産性を低げてしまう可能性があります。

生産性の低下

だだっ広いオープンプランのオフィスは、従業員の生産性を大きく低下させる可能性があります。ある研究では、近くで会話をされるだけで、従業員の生産性が最大なんと66%も低下することが示されています。

疲労

さまざまな雑音があることで、常に仕事や勉強に集中するのに時間と労力をかけなければならないと、そうでない場合と比べ、1日の終わりに感じる疲労感が増してしまいます。長期的には、ワークライフバランスの質が悪化する原因にもなり得ます。

タスクによるパフォーマンスの違い

2021年に行われた研究では、雑音が勉強におけるタスクの遂行に与える影響が、タスクの種類によって異なるのかどうかを調査しました。その結果、読解や暗算に関わるタスクには特に影響がなかった一方で、論理的推論を必要とするタスクでは、雑音によってパフォーマンスが著しく低下することが分かりました。つまり、騒々しいオフィス環境では、特定の種類のタスクは集中しづらい一方で、パフォーマンスに影響がないタスクもあるのです。

生産性を最も高める音(ノイズ)はなにか?

人によっては周囲に音がある方が生産性に繋がることは分かりましたが、ひとえに音と言ってもさまざまな種類があります。ここからは、集中力を高めるのに最も良い「音」とはどのようなものかを、一緒に見てみましょう。

音楽

仕事や勉強に集中するとき、多くの人は自分専用のプレイリストを持っています。音楽を聴きながら作業することで、ゾーンに入りやすいと感じる人は多いでしょう。

特に器楽曲(インストゥルメンタル)は、歌詞がないため、集中力を高めるのに最も効果的だと言われています。歌詞は、集中力に関わる脳のエリアを刺激しやすく、聴いている者の気を散らし、仕事や勉強から注意を逸らしてしまうリスクがあります。

音楽を聴いて集中力を高めたい方には、主に2つのジャンルをおすすめします:環境音と器楽曲。

  • 集中するための環境音

環境音は、聴いている人の集中力が高まる環境を音を使って再現するため、集中力を高めたい人に非常に人気があります。

環境音には、雨や波などの自然の音から、エアコン付きの職場などのより工業的な音までさまざまなものがあるため、どんな人も自分に合った音が見つかるでしょう。

  • 器楽曲

さまざまな研究から、クラシック音楽には、脳の活動や集中力、創造性を高める効果があることが分かっています。モーツァルトの曲が、手術室で働く外科医に最も人気があるのも、納得できます。

ホワイトノイズ

ノイズの一種であるホワイトノイズは、周囲の気になる音を掻き消すことで、仕事や勉強をする人の集中力を維持するのに役立つかもしれません。

ホワイトノイズとは、人間に聞こえるさまざまな周波数の音をミックスしたものです。つまり、20ヘルツから20,000ヘルツまでのすべての周波数の音を混ぜ合わせた音なのです。これらの周波数成分は全て、同じ強さで同時に再生され、ホワイトノイズと呼ばれる音を作り出します。ホワイトノイズの音は、しばしば、テレビなどの通信機器から出るノイズや、ヘアドライヤーの音、エアコンの音などに例えられます。

南カリフォルニア大学で行われたある研究では、参加者にホワイトノイズを2つの異なる音量で聴かせながら認知テストを行い、ホワイトノイズが集中に役立つかどうかを調査しました。

その結果、65デシベルで再生されたホワイトノイズは、参加者のストレスを増加させ、ワーキングメモリのテストでのみパフォーマンスの向上に寄与しました。一方で、45デシベルで再生されたホワイトノイズは、創造性と持続的な集中力を向上させました。

つまり、ホワイトノイズは、低いデジベルでは、集中力を向上させる効果があるかもしれないのです。一方で、ホワイトノイズ以外に他のノイズ音も存在します。「ブラウンノイズ」や「ピンクノイズ」などもあり、これらはホワイトノイズと似ていますが違う周波数で再生されます。どの色のノイズが勉強や仕事に効果的かは、人によって異なるため、一度試してみることが一番の近道です。

音があると集中できない人はどうすれば良いか?

もちろん、全員が全員、音がある環境で捗るわけではありません。では、音があると集中ができない人にはどのような解決策があるのでしょうか?

オフィスに静かなスペースを設ける

職場では、すべての人が気持ちよく仕事ができる環境作りが大切です。それは、周りに音があると集中ができない人のために、パーティションで区切られた作業スペースを作ったり、会議室や「サイレントゾーン」といった静かなスペースを提供することも含まれます。もちろん、周囲の音が生産性向上に繋がる人が快適に働けるためのスペースとのバランスを取らなければなりません。

ノイズキャンセリングヘッドフォンを提供する

ノイズキャンセリングヘッドフォンは、背景の音を遮断し、無音に近い環境での仕事や勉強を可能にします。静かなスペースが見つからない場合などに非常に便利なアイテムです。

耳栓を提供する

ノイズキャンセリングヘッドフォンが使えない場面もあります。キーボードの音やオフィス内の雑談の音を遮断したくても、同僚と話さなければならなかったり、ミーティングに積極的に参加する必要がある場面などです。こうした場合には、耳栓(イヤープラグ)が役立ちます。

Loop Engageのような耳栓は、ノイズを抑えながらも、会話を快適に続けることを可能にします。音を完全には遮断せず、背景のノイズを適当なレベルまで下げてくれるため、集中を妨げずに作業を続けることができるのです。

企業が従業員に耳栓を提供することのもう一つの大きなメリットは、ヘッドフォンと比べて費用が低いことです。ノイズキャンセリングヘッドフォンより安価で、使い方もシンプルなため、多くの従業員のニーズに合った職場環境を作ることができます。

オフィスをより緑豊かな場所に

植物は見栄えがよく、室内の空気を綺麗に保ってくれるイメージがありますが、実は植物には音を吸収する役割もあるのです。厚い葉を持つ植物は、音を効率的に吸収するため、最大の効果を得るために、オフィス内の壁面緑化を検討してみるのも良いかもしれません。

柔軟な働き方を提供する

自宅で働く場合は、自ら周囲の音をコントロールできます。電話をする同僚はいませんし、大きな音を立てるコーヒーマシンもいつ使うかは自分次第です。もし、多くの従業員がリモートワークの方がより効率よく仕事を進められると感じる場合、従業員のニーズに合わせて勤務場所を自由に選択できる、柔軟な働き方の導入を検討してみてください。

働く人に合った環境作りを

ある人にとっては、周囲の音が活力に繋がる一方で、別の人にとっては生産性の低下・集中力の低下を招くことがあります。これは、雇用主として、頭を抱えてしまう問題に感じられるかもしれません。しかし、あらゆる作業スタイルにフィットした職場環境を作り、リモートワークや耳栓といった選択肢を従業員に提供することで、両者の良いところ取りができます。そうすることで、ノイズが好きであろうとなかろうと、従業員が健康でハッピーなことで、必ず生産性も向上するはずです!

では、自分に合った方法はどう探せば良いのでしょう?

ご自身の「トリガー」(集中力が落ちるきっかけ)が何であるかを考えてみましょう。あなたの集中力が落ちるトリガーは雑音ですか?それとも、居心地の悪い椅子でしょうか?

自分に合った勉強法を見つけるには、ちょっとした試行錯誤が必要かもしれませんが、それを乗り越えた先には、勉強が思うように捗る未来が待っているはずです。

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